方針管理は方針展開からはじまります。
皆さんの会社において、方針にはどのようなものがあり、その展開のしくみはどのようになっているのでしょうか。
これはある会社の方針と方針展開のしくみをあらわしたものです。自社のしくみと比較してみましょう(自社の方針と方針展開のしくみを知る) 。
ある会社の方針と方針展開のしくみ(概要)
方針は全社の方針を受けて、自社の各階層にブレイクダウンされていることがわかりますます。
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全社 社是・社訓
↓
★経営理念
↓ ★自部門/自チームを
★経営戦略 取り巻く環境の
↓ アセスメント
年度方針・予算 ←←←←←←← ↰
・・・・・・・・・・・・・↓ ・・・・・・・・・・・・↑・・・・・・・・・・・・
上位部門 実施計画(年度方針・予算)←← ↰
・・・・・・・・・・・・・↓ ・・・・・・・・・・・・↑・・・・・・・・・・・・
自部門 ★ビジョン ↓ ★自部門/自チームを ↑
自チーム スローガン ↓ 取り巻く環境の ↑
↓ ↓ アセスメント ↑
↳ 実施計画(年度方針・予算)←←← ↰
↓ ↑
★(戦略の)実行 ↑
↓ ↑
★(戦略の)レビュー→→→→→→⤴
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ここでは、前項の★印の項目を重点的に解説します。
★「理念」は、戦略目標を設定する際の、思想的なバックボーンになるものです。
社是・社訓:社是は自社が是(正しい)とするもの です。社訓は自社で守るべき教え(訓は教えの意)、会社の教訓のことです。
経営理念:自社の存在意義や使命を普遍的な形で表した基本的な価値観のことです。
ビジョン:自社の目指す将来の構想や具体的な姿のことです。
ミッション:自社の使命、重要な任務(命を捧げる覚悟があるもの)のことです。
※経営理念やビジョン、ミ ッションは、互いに重な り合う部分が多いため、 それぞれの定義を厳密に定めて区別する必要はありません。
※この他に、信条、モットー、スローガン、グレド、ウェイ、行動指針、バリューなどがあります。
★「戦略」には、経営戦略・全社戦略・事業戦略・機能戦略があります。
経営戦略:自社が経営を行なうにあたっての最上位の概念のことです。自社の持続的競争優位を確立するための基本的な考え方であり、具体的には、企業の中・長期的な方針や計画を指すことが多いです。
全社戦略(企業戦略・成長戦略):多くの事業を傘下にもつ企業が、事業戦略以外に、より高いレベルで持続的な競争上の優位性を確保するために行なうべき方針のことです。(ex. お客様がどの事業領域(ドメ イン)で戦うかを選定する、自社がどのような事業の組み 合わせ(ポートフォリオ)を もちその事業間で資源を配分するかを選定する、など。)
事業戦略(競争戦略):単独の事業が、その事業の中で、競争優位を確立するための方針です。
機能戦略:事業戦略を実現させるための施策を機能別に落とし込み、機能別視点から実施を考える戦略です。
★「環境分析(アセスメント)」
環境分析では、自社を取り巻く内外の経営環境に目を配ります。
外部環境は、自社が直接コントロールできない社外の環境を指します。大きなトレンドや変化の兆しを明らかにすることや、市場のニーズや競争環境を把握することは、市場における機会と脅威の発見につながります。
内部環境は、自社がコントロール可能な経営資源が分析の対象になります(自社分析)。経営資源や自社の構造上の強みや弱みを客観的かつ冷静に把握することにより、自社にとってのビジネスチャンスを見つけやすくなります。
尚、環境分析は、事業戦略において、戦略オプションごとに予想される結果や必要となる資源や実行の難易度などを検討し、実行すべき戦略を絞り込みます。
★「戦略の実行」
戦略の実行においては、戦略の遂行度合いを示す何らかの指標を設定し、どの程度実行されているかを把握できるようにします。また、いくつものアクション・プランが整合性を保ちながら実行できるように、評価、報奨制度、コミュニケーション、意思決定のルールなども整備します。
★「戦略のレビュー」
戦略のレビューは、当初設定した期間終了後に、期待された効果をあげたかどうかを確認することです。上手くいかなかった場合は、その原因を解明し、必要に応じて、修正案を考えます。
以上、方針展開のしくみと、各項目について重要なものは概説しました。これらの項目は、全て揃っている必要はありません。まずは自社の方針と方針展開のしくみを知ることが重要であり(マネージャーは経営が何をどのような経緯でどうしたいのかを十分に知る必要があり)、それを理解した上で、自部門/自チームが何をすべきかをしっかり検討して、自部門/自チームのビジョンやスローガンを作り、実施計画(年度方針・予算)→(戦略の)実行→(戦略の)レビューへと進めていくことが肝要です。
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